(北日本新聞 平成30年 3月16日 抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・総合建設業の高田組(富山市宝町、高田均社長)は道路、河川、砂防の公共工事を多数受注している。本社は富山駅前にあり、長年にわたり鉄道関連の工事に携わってきた。現在も関連工事や鉄道に近接した場所での土木工事を数多く手掛けており、経験豊富な技術者がそろっている。
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〇外での仕事が気持ち良い〇
工務部の荒井隆志さんもそのひとり。2月からは富山駅の高架化後に南北をつなぐ都市計画道路に、電線類を埋設する共同溝をつくる工事を監督している。安全かつ円滑な施工を目指し、あいの風とやま鉄道やJR、駅周辺整備工事に携わる他の事業者などと打合せをしながら進めている。一昨年に担当した富山駅高架下での駐輪場整備工事では、施工品質が評価され、富山土木センター管内の優良土木工事コンクールで優秀賞に選ばれている。「ものづくりの喜びがあるのに加え、屋外での仕事が好きなので建設業は自分に合っていると思う。暑い日や寒い日はもちろんありますが、景色の美しさや空気の気持ち良さを感じる時があります。関わった仕事はどれも印象深いですね」と話す。
一男一女の父。休日には家族と富山駅で鍋や雑炊を販売するイベントに参加。施工した現場にも案内した。「大人になる頃には、ますます便利になっていくよ」と娘に話すと、まちの中心で沢山の人が利用する施設を造る仕事に父が携わっていることを理解したようで、「富山駅前がどんどんきれいになっていくね」と、「娘の眼差しがいつもより輝いてる気がした」と笑顔の荒井さん。休日を家族サービスに活用し、充実した毎日に繋げている。
〇働き方改革へ休日増〇
(北日本新聞 平成29年7月30日 抜粋)
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総合建設業の高田組(富山市宝町、高田均社長)は、現在、富山市総曲輪の市民プラザ周辺で下水道の布設工事を担当している。既存の下水管を新しいものに取り換える工事で、昨秋に始まった。来月中の完了に向けて作業は最終段階に入っている。街なかでの工事であり、住民の暮らしや事業所の業務に大きな支障がないように配慮しなければならない。工事中でも普段通りに下水が共用できるよう、仮配管を布設しながら進める工法が採られている。
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〇通行の確保などに配慮〇
課題は歩行者や車の通行を確保することだった。下水管が道の中央に埋設されているため、通行止めにしなければ工事ができない個所が多かった。また、対象区域では旧総曲輪小学校跡地に複合ビル「総曲輪レガートスクエア」(今年3月完成)の建設が行われており、関連車両が頻繁に出入りしていた。これら付近一体の交通事情を考えて計画を立て、慎重に進めた。
現場監督を務めるのは工務部の北山達生さん。「地域には病院や商業店舗などもある。個別に訪問して工事の内容や計画を説明し、みなさんの理解を得ながら進めることが最も重要でした」と着任当初を振り返った。
〇子育て世代が主力〇
北山さんの楽しみは4歳の娘と遊ぶこと。「一緒によく公園に出掛けます。休日は『どこかに遊びに行こう』と朝からせがまれる」と目を細める。「わたしが遊び相手になっていれば妻も自由な時間がつくりやすい。少しホッとしてもらえたらよいですね」と話した。
高田組には北山さんのように幼い子をもつ世代の技術者が多い。このため、働きやすい環境づくりに力を入れ、「元気とやま 子育て応援企業」にも登録している。妻の出産前後に有給休暇を取っていた慣習を「父親休暇」として制度化するなど、中小企業ならでは社員同士の助け合いを会社がさらに後押しているのが特長だ。
「人は会社の宝であり、未来です」が同社のモットー。近年は若手の育成に注力しており、今春は県内の高校から3人の新卒者を雇用した。資格取得を支援しながら次の世代を担う技術者を育てていく。
2015年、2016年に引き続き、北日本新聞社の県内の子育て世代の応援や少子化対策の施策広報を支援する特集「みんなで考えよう少子化・子育てキャンペーン2017」を応援していきます。
富山県は女性1人が生涯に産む子どもの人数を示す合計特殊出生率が21年ぶりに1.5を上回りましたが、急激な少子高齢化と人口減に直面する見通しは変わりません。少子化問題は就労形態などによる家族形成状況の違い、依然として厳しい女性の就労継続、子育て世代の男性の長時間労働など、多くの要因が考えられます。
毎月1回「出会い・結婚」「妊娠・出産」「子育て応援」「少子化をめぐる取組み」「教育」などの各テーマを掘り下げた企画特集が掲載され、当社の子育て応援も紹介される予定です。
工務部 髙森 毅一さん
(北日本新聞 平成29年 3月30日 抜粋)
「猪谷楡原道路」は、国道41号の富山市楡原から猪谷間7.4kmの道路であり、現在の雨量規制区間や、冬期の交通障害の回避を目的とした事業である。
2010年に一部が供用され、現在は道の駅・細入の南側が工事中だ。大雨の時などに通行規制がかかる区間を迂回する新道を神通川対岸に通す大がかりな工事で、高田組(富山市宝町、高田均社長)は片掛橋(仮称)の橋脚を含む建設を担当している。
○完成時のうれしさ格別○
現場責任者を務めているのは工務部の髙森毅一さん。最も心掛けているのが作業中の安全確保だ。「一瞬の不注意によって事故が発生すれば多くのものを失ってしまう。この現場は通行量の多い現在の国道と隣接して作業を行う箇所もあり気が抜けない」。現在は降雪期のため工事は中断しているが、4月からは高さが30mに達する橋脚の建設に本格的に着手する。「末永く残る構造物を手掛けることに喜びを感じる。同僚と協力してしっかりやり遂げたい」と話した。
39歳の髙森さんは13年の入社。一旦は別の業界で働いたものの、建設業で感じたやりがいを忘れられなかったという。「夏は暑く冬は寒い屋外での仕事は楽ではない。しかし、完成した時に感じるうれしさが違う」
○家庭との両立へ配慮○
高田組は「人は会社の宝であり、未来です」をモットーに掲げ、「元気とやま!子育て応援企業」に登録している。工事の進捗状況によってはカレンダー通りに休めないこともある仕事だが、「忙しくても子どもの行事には参加させてあげたい。交代で休める体制と助け合う雰囲気づくりに努めている」(黒川洋行工務部長)。
髙森さんも小学生の息子と娘がおり、「野球をしている長男の試合が勤務と重なったときに同僚に頼んで休ませてもらった。工事が終わるとまとまった休暇を取れるように配慮してくれるのもありがたい」と話した。
若手技術者の育成にも力を入れており、高校生3人の入社が内定している。建設業では担い手不足が課題になっており、同社は働きやすい職場づくりを進めながらじっくりと人材を育てていく考えだ。
○最前線は子育て世代○
昭和4年創業の高田組(富山市宝町、高田均社長)は長年、立山カルデラ砂防をはじめとする砂防工事や鉄道関連工事で実績を残してきた。伝統を受け継ぐ若手の育成を目指し、働きやすい職場づくりに力を入れている。
現在、工事現場で中心となって活躍しているのは30、40代の子育て世代の技術者たち。43歳の山田昌文さんもその一人で、国土交通省神通川水系砂防事務所から受注した岐阜県高山市奥飛騨温泉郷での砂防えん堤補修工事で現場監督を務めている。現地は焼岳をまじかに望みペンションなどが立ち並ぶ観光エリアにあるが、作業は常に危険と隣り合わせ。
強い雨が降れば一気に激流に襲われる恐れがあり、雨量計や土石流センサーによる警戒が欠かせない。豪雪地域でもあり、工期は4月から10月まで。今年は台風の相次ぐ接近などで工程が当初の計画よりも遅れて気をもんだ。
現場近くの民宿に泊まり込み、週末に富山市内の自宅に帰る。小学5年の長男、同2年の次男と遊ぶのが楽しみで、「最近は釣りによく行きます。職場が山中なので海に出掛けると気晴らしにもなります。家に戻った時ぐらいは子どもの相手をして、妻の負担を少しでも軽くしてあげたい」と話した。
○お互い様のチカラ○
建設業という仕事柄、工期が迫るとなかなか休みがとりづらいケースはある。だからこそ同社では福利厚生の充実だけでなく、制度が利用しやすいよう社員が助け合う雰囲気づくりを重視している。「子どもの急病など困った時にはお互いさまで休みの融通が利くという安心感がある」と山田さん。工事が終わると、まとまった休暇をとり家族旅行に出掛けることが多いそうだ。
○人を守り、人を育てる○
社長自ら「人は会社の宝であり、未来です」というモットーを掲げ、社員の意見を取り入れて制度を見直している。毎年春の休日に社内安全大会を開くが、今年は社員の子どもたちの運動会の日程と重ならないように配慮して開催日を決めた。
「元気とやま!子育て応援企業」に登録しており、2013年には「元気とやま!仕事と子育て両立支援企業」に選ばれて県知事表彰を受けた。高校生のインターンシップにも積極的に取り組んでいる。
建設業は天候で仕事が左右され、時間的に不規則な労働になることが多い業界ですが、働く社員にも家庭があり、家族との時間も大切にする会社でなければ成り立たないと考えています。
○技術者育成へ労働環境改善○
富山駅すぐそばに本社を構える建設業の高田組は昭和4年創業の老舗。砂防や鉄道関連の工事に実績があり、経験豊富な技術者を数多く抱える。「人は会社の宝であり未来です」をモットーに、働きやすい職場づくりに努めてきた成果だ。
このモットーを掲げたのは25年ほど前。当時専務だった高田均社長が「今後の建設業は技術者の確保と育成が大事になる」と考えて自らフレーズを決めた。「宝」「未来」は会社の所在地である富山市宝町と、幼かった長女の名前(麻未さん)から思いついたという。同時に新卒者を積極的に採用し、職場環境の改善に努めた。当時入社した現在40代前半から30代後半の社員が技術者として力をつけ今や業務の第一線を担っている。
○「お互いさま」で助けあう○
建設業は作業の進ちょくが天候にも左右され休日が不定期になりがち。そんな中でも社員同士が協力し、子どもの誕生や急病などに合わせて休みをとれるようにしている。工務部の水野時諭さんは14年前に休暇をとり長女の誕生に立ち会った。
「当時の上司が理解ある人で、快く病院へ送り出してくれた。」と振り返る。これをきっかけに妻の出産前後に有給休暇を取得するのが職場に定着し、会社も「父親休暇」として制度化して後押しした。「社員には同じ子育て世代が多く、お互いさまで助け合えている」と工務部の橋場洋平さん。立山砂防工事に従事し、現場に泊まり込む日が多いが、「山から下りている時はなるべく育児にかかわるようにしている」。
このほか、子どもが病気やけがをした際の「看護休暇」は法定を上回る12歳の年度末までを対象にしている。13年に「元気とやま!仕事と子育て両立支援企業」として表彰された。
今年は年1回春に行う社内安全大会の開催日を、社員の子どもたちの運動会と重ならないように調整している。高田社長は「わたしのころは子どもの学校行事に理由に仕事を休むのははばかれたが今は時代が違う。地方の中小企業だからこそ人を大事にできると考えており、これからも働きやすい職場づくりを進めて次代を担う人材を育てていきたい」と話した。
当社にとって優秀な人材こそ唯一の財産です。
その社員には家庭や生活があり、その中で結婚・出産という過程があり、その後子育ての時期も迎えます。
社員一人ひとりが親としての行動を当たり前として行なえるように、職場環境を整備することが会社の役割だと考えます。
子育て中の社員の半数が出産に立ち会うための休暇を取得しています。
総合建設業の高田組(富山市宝町、高田均社長)は「人は会社の宝であり未来です」をモットーに働きやすい職場づくりに努める。その一環として子育てとの両立を支援しており、県の「元気とやま!子育て応援企業」に表彰された。
男性社員が妻の出産前後に有給休暇がとりやすいよう「父親休暇」を制度化しているのが特徴の一つ。建設業は工事の進捗が天候などにも左右されるため、思うように休みを取れないことが少なくないが、ほとんどの社員が利用して出産や退院に付き添っている。十数年前にある男性社員が出産に立ち会ったのがきっかけとなり社内の理解が進み、出産時の休暇が浸透したという。これを会社が制度化して後押ししたかたちだ。
このほか、こどもが病気やケガをした際の看護休暇は法定を上回る12歳の年度末までを対象にしている。普段の有給休暇の取得率も高く、家族サービスに当てる社員が少なくない。長女の誕生に立ち会った専務の堂口隆介さんは「社員に30、40代の子育て世代が多い。家庭の充実が仕事での頑張りにもつながる」と話す。